エージェントレステクノロジーの時代 - CrowdStrike BSODケーススタディ

エンタープライズによるエージェントレステクノロジーの実装は至極当然な流れ

数百万台のコンピュータがダウンし、インフラストラクチャ、ヘルスケア、さらには多数の重要なサービスで大規模な障害が発生した事象を受け、大企業がエージェントレスのサイバーセキュリティツールを積極的に導入するようになったのは至極当然な流れと言えるでしょう。 

エージェントレスサイバーセキュリティは、ソフトウェアエージェントを各デバイスにインストールしなくてもシステムを保護できる技法です。最大の利点はプロアクティブな防御で、悪意のある攻撃が組織内に侵入した場合にそれに対処するのではなく、サイバー攻撃を回避することに重点を置いています。 

エンタープライズは「攻撃に対処」するだけのモードでは不十分です。プロアクティブなエージェントレステクノロジーはビジネスの継続性を確保するために広く普及しています。90年代のようにエンドポイントにウイルス対策テクノロジーをインストールするだけでは不十分になりました。 

CrowdStrikeのインシデント:ケーススタディ

先週発生した大規模なインシデントによってテクノロジーとサイバーセキュリティ業界が驚愕しました。EPP(EndpointProtection Platform)で有名なサイバーセキュリティベンダーのCrowdStrikeがエージェントの更新に伴い障害を発生し、大規模な危機的状況になりました。この不具合によって世界的なIT障害が発生し、ATM、フライト、銀行、病院など様々な主要分野で数百万のエンドポイントに影響を及ぼしました。  このインシデントによってエージェントベースのソリューションにおける潜在的リスクが明確になり、エージェントレステクノロジーへのシフトが急ぎ必要だという点も判明しました。

CrowdStrikeのEPPは多くの企業や組織が信頼を寄せていたソリューションで、導入したエージェントを使って強力な脅威検出と回避を行ってきました。ところが2024年前半の更新プッシュが破壊的な結果を招きました。エージェント更新の不具合によって大規模な中断が発生し、主要なシステムが停止しました。

銀行は機能停止によって取引中止となり、金融業界が大混乱に陥り、顧客の信頼を損ねました。病院では重要な患者データへのアクセスが遅れたため、人命に関わるリスクが発生しました。航空会社はフライトのキャンセルを余儀なくされ、物流面の被害と金銭的な損害を被りました。

ATMマシンも機能しなくなり、現金を引き出すことができませんでした。このような障害によって発生した連鎖反応はデジタル環境における相互接続性、さらにはエージェントベースのシステムにおいて単一障害点がもたらすとてつもない影響を浮き彫りにしました。

エージェントベースのソリューションがはらむリスク

CrowdStrikeインシデントはエージェントベースのサイバーセキュリティソリューションにつきもののリスクを明確に示唆するものです。

複雑さと導入の難しさ

すべてのエンドポイントとサーバーへのエージェント導入は複雑で大量のリソースが必要な作業です。各エージェントがシステムリソースを消費するため、パフォーマンス低下にもつながる可能性があります。多種多様なシステムで互換性を確保し、定期的に更新し続けることは管理の負担が重くなります。

攻撃サーフェスの拡大

導入した各エージェントは潜在的な脆弱性になります。エージェントに不具合がある場合、攻撃者がエクスプロイトして不正にアクセスする可能性があります。エージェントには高い権限を付与しなければならないこともリスク増大につながります。不正アクセスされたエージェントが被害を拡大させる可能性があるからです。

エージェントベースのソリューションは信頼性の問題が発生しやすいことがCrowdStrikeの事例で判明しました。間違った内容の更新によって広範囲の機能停止が発生し、運用中断と長時間のダウンタイムを招きます。この種のインシデントからの復旧は時間も費用もかかり、戦略的なサイバーセキュリティの取り組みからリソースを奪うことになります。

エージェントレステクノロジーのメリット

エージェントベースのソリューションとは異なり、エージェントレスのテクノロジーにはセキュリティと運用の安定性を高める各種のメリットがあります。

導入が簡単

エージェントレスソリューションでは各デバイスにソフトウェアをインストールする必要がありません。これにより導入プロセスが簡素化され、企業や組織はセキュリティ対策を迅速に実装でき、複数のエージェントを管理する手間も省けます。

攻撃サーフェスの減少

エージェントがないので攻撃者のエントリポイントが最小化されます。これにより全体的な攻撃サーフェスが減少し、エージェントに高い権限を付与する必要もなくなります。その結果、企業や組織のセキュリティが強化されるのです。

システムの安定性強化

エージェントレスソリューションはシステムリソースを消費せず、単一障害点も発生しません。これによりシステムの安定性と信頼性が高まります。企業や組織は更新エラーによる大規模なIT機能停止のリスクを回避できるので、一貫したパフォーマンスを確保し、予定外の中断を最小化することができます。

結論:エージェントレステクノロジーの活用

サイバーセキュリティ環境には新たな脅威が蔓延しており、企業や組織は効果的なだけでなく信頼性/安全性の高いソリューションを求めています。CrowdStrikeのエージェントベースEPPでのインシデントにより、この種のテクノロジーに付随する大きなリスクが明らかになりました。一方、エージェントレスソリューションは無駄のない、セキュアでパワフルな技法を提供します。エージェントレステクノロジーを導入することで、企業や組織はセキュリティ体制の強化、リスクの最小化、運用継続性の確保が可能になります。

ULTRA REDについて

ULTRA REDはエージェントレスサイバーセキュリティソリューションを専門的に扱っており、企業や組織がインターネット接続された攻撃サーフェスを検出し、脆弱性を識別して迅速に脅威に対処できるようにします。弊社のソリューションはセットアップが不要で完全にエージェントレスです。他に類を見ないほど容易な導入と信頼性の高さを誇っています。

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